導入事例 千葉県木更津市様 
時系列と地図を一体化!木更津市の災害情報共有の新しい形

“災害情報共有システム迅速果断”は、災害時の情報を時系列に整理し、地図や写真と組み合わせて、状況を“見える化”する情報共有ツール。災害対策本部で情報を記録するホワイトボードをデジタル化したもので、本部・現場・関係部署が同じ情報をリアルタイムに把握できる。
システム導入前の課題から導入後の活用状況について、担当者からお話をお伺いした。
インタビューご協力 木更津市 総務部 危機管理課 危機管理官 齋藤様
都心に近いのに海と里山のゆったり感。住んでも訪れても心地よいまち木更津
<木更津市の魅力>
木更津市は人口約13.6万人。東京湾アクアラインにより都心からのアクセスが良く、海や里山、温暖な気候に恵まれた暮らしやすいまち。あさり・海苔・ブルーベリーなどの特産品も豊富で、自然と都市が調和した地域として多くの人に親しまれている。

キャラクター“きさポン”
―きさポン許8第32号―
市民と行政が一体となった防災力が評価
<ジャパン・レジリエンス・アワード2025 最優秀賞を受賞>
2019年の房総半島台風を教訓に、木更津市では毎年11月に市内全域で防災訓練を実施している。 特に避難所開設訓練では、職員と自主防災組織がファーストミッションボックス(災害時の行動手順書)を使い、連携力を高めて活動し、 参加人数は年々増加、市民と行政が一体となった継続的な取り組みが高く評価されている。

―きさポン許8第32号―
地図とクロノロジーをつなぐ”次の一手”が必要だった
<導入前の課題>
木更津市では、以前は紙の地図を広げて被害状況を書き込みながら災害対応を行っていた。地図上に被害箇所を可視化できる点は有効であったが、その場にいる職員しか情報を共有できないという課題があった。
その後、時系列(クロノロジー)で災害情報を整理できるツールを導入し、対策本部外の職員とも情報共有できるようになった。一方で、時系列情報だけでは被害場所や被害の集中エリアを把握しづらいという新たな課題が浮上した。
こうした背景から、地図とクロノロジーが一体化して扱える仕組みを検討し、迅速果断が有効だと判断した。地図への転記作業をなくし、情報の受信から地図共有までを一連の流れとして運用できる点と使い勝手の良さが選定理由となった。

迅速果断のメイン(時系列)画面

迅速果断の地図画面
情報の質と共有のスピードが両立 正確性重視の運用方針と整合
<導入効果>
迅速果断の導入により、災害対策本部で常設していた紙地図が不要となり、電話等で受けた情報を迅速果断に入力する運用へと移行した。入力された内容を吟味して、別ツールによる住民公開までを一連の流れとして運用できる体制が構築できた。
仮に紙地図への転記作業が残っていた場合、職員は転記に追われ、事実確認や住民公開ツールへの登録に十分なリソースを割くことが難しかっただろう。導入後は、正確性を確保しながら効率的に情報を整理・共有できるようになった。
スピードも重要であるがより正確性を重視し、事実確認を行ったうえで発信する運用が徹底できている。迅速果断はこの運用方針とも整合している。
災対本部が立ち上がらなくても使用。慣れることで運用が洗練
<実際の活用>
職員が操作に慣れるよう、災害対応を担う各課の職員を対象に操作教育を実施し、各課へ持ち帰って共有してもらう方法により、誰でもある程度の操作が確実にできる体制を整えている。
実際の運用としては、災害対策本部が立ち上がらない規模の台風や大雨でも使用し、正式運用開始からの2か月間で、迅速果断を計5回活用している。
2~3回目あたりから職員が使い慣れ、入力内容の選択や質問の仕方が洗練されてきた。当初は入力内容が他職員に見られることへの遠慮があったが、回数を重ねる中で職員の意識が変化し、必要な情報を積極的に入力する文化が醸成された。シンプルな構成で使い勝手の良いのも大きな特長である。
豪雨災害の対応では、迅速果断に登録したデータを、他の職員が自主的に表現を修正する場面があった。依頼していない修正だったため当初は驚いたが、確認すると第三者視点で分かりやすい表現に改善されていた。迅速果断は同じグループ内で柔軟に更新・修正できるため、こうした自発的な編集が運用の質を高める流れにつながり、よりよい情報共有へ発展している。

困ったときにすぐ相談できる。アフターケアが心強い
<担当者の声>
運用面で困りごとが生じた際には気軽にサポート窓口に相談させてもらい、非常に助かっている。また、運用の中で見えてきた改善点については、機能改修の要望として随時共有しており、前向きに検討してもらっている。このようなアフターケアも心強く感じている。